〜育児にも大切なこと〜
ADHDは注意欠陥多動性障害、ASDは自閉スペクトラム症です。
これらの障害は、大人になってから自分に障害があることを知る人も多く、近年急速に認知されるようになりました。
コミュニケーションの苦手さや物忘れが多いなど日常生活を送るのに困り感があり、それを本人の努力不足と扱われることで辛い経験をしてきた、という体験談を見聞きすることは珍しくありません。
そんな話に触れるたび、もしその方が大人になる前に本人とその身近な人たちが障害を理解していたら、その経験は全く違うものになっていただろうと思うのです。
幼児期に芽生えた自我は、その後に思春期を経て大人になります。思春期は子どもから大人へ成長する過程です。
思春期に障害の認識がなく過ごすことで対人関係に悩み自信を失い、自尊心や自己肯定感が傷ついてしまうとは、その後の人生に計り知れない影響があるでしょう。
話を娘に戻します。
最近、自分と友達の違いを感じ始めました。また定期的に診察をする発達障害専門医に通うことに疑問を抱き、なぜ病院へ行くのかと私に聞いてきました。
こういった言動が見られた時が、本人に障害を告知するタイミングだと思うのです。
告知のタイミングとしては、思春期(11歳〜18歳くらいまで)になると親子のコミュニケーションは急に少なくなり、反抗心から親の言葉を素直に聞けないことも多いので、その前の小学5年生くらいが良いという考えもあります。
でも本人が違和感を感じ始めるのが一般的にも3年生くらいと言われているので、それから告知がある5年生までの時間を、違和感を感じながら過ごすよりも、自分への理解を深める時間にする方が有効だと思います。
実際に療育者の方より、小学校高学年で告知をされたお子さんが「もっと早く知りたかった。」という話をよく聞くと伺いました。
という経緯があり、この夏休みに娘にはしっかりと障害について説明をしようと思います。
自分のことが大好きなまま思春期を迎え、自己肯定感を下げることなく大人になって欲しい。障害は本人の理解と周りの配慮があれば、障害ではなくなるはずです。
同時に、こうした本人へ告知をする必要があるご家庭の場合、例えば片親である理由、親に障害があるなど、いずれしっかりとした説明が必要な事情について、思春期の前に説明をするのが良いのかなとも思います。
繰り返しますが、自分への理解を深め、親離れの準備を進めていくとこは大切な育児だと思います。