〜育児を楽しむ〜
娘の歯の定期検診で出会った父子に感動した話です。
娘が通う歯医者は発達障害児の知識と理解がある医師が開業している為、発達障害のある子を見かける事が多いです。
今回も多動&自閉スペクトル症と思われる男の子がお父さんと待合室にいました。
治療は終わったようですが、治療が嫌だったのか、怒りが収まらない様子でお父さんを叩いたり叫んだりと激しく感情を出して騒いでいました。
そのお父さんは叩かれても叩かれても、笑って「痛い痛い」と言いながらなだめています。
私は療育の先生にこう教えてもらいました。
公共の場で暴れるという行為は良くないことと教える必要があり、理解させる為には暴れている時に、怒るのではなく真顔でしっかりと伝えること。と。
このお父さんのように楽しそうにしていると、悪い行為だと理解できないからです。また落ち着いてから伝えても、なんの事だかよくわからなくなってしまうからです。
そんな事を思い出しながら過ごしていましたら、お父さんと絡む中でふとしたポ―ズがその子は楽しかったようで、急に怒りから遊びに切り替わったのです。
待合室にいた、それまで迷惑そうな顔をしていた人たちも、楽しそうな姿は微笑ましく受け止められます。
するとお父さんが近くにいた私に声を掛けてきました。
「僕、シングルファザーなんです。普通のお父さんって、こういう楽しいの、知らないことが多いんですよね。」と。
私はびっくりした顔をしてしまいました。驚いたのはシングルファザーということではなく、私なら手に負えないように暴れる子の相手をするのを、このお父さんは心底楽しんでいることに驚きました。
少し話していると、「発達障害なんですよ。」とも話してくださいました。私は言われなくてもすぐにわかりますが、わんぱくな子=親の躾けが足りない子と見られることもきっとあるでしょう。だから話した訳ではないと思いますが、このオ―プンなことにも驚きます。
(庭のブルーベリーが実り始めました。今年もたくさんジャムができそうです!)
定型発達児の子育てでさえ、このお父さんほど育児を楽しんでいる親はどれほどいるだろうかと思ってしまう。
そして発達障害があること、自分がシングルであることをありのまま受け止められるこのお父さんのメンタルの強さに感動しました。
このお父さんはこの男の子の育児を心から楽しんでいるようでした。そして男の子のお父さんのことが大好きな様子が微笑ましく、応援せずにはいられない父子です。
特別支援学校の1年生だそうで、これからたくさん楽しい時間を過ごしてほしい。
また歯の定期検診でぜひお会いしたいです!