~診断がつくかどうかの分かれめ~
先日の記事にはたくさんのアクセスをいただいたので、もう少し詳しく書こうと思います。
娘が1歳半の時、市の健診で発達が遅いことを指摘されたのが始まりです。
すぐに総合病院へ行き、経過観察が始まりました。
言葉の発達にはかなりの遅れがありましたが、他には問題がないため、経過観察が続いていましたが、
3歳を過ぎても発語が全くなく、名前を呼んでも振り返らない。という状況に、私はジッとしていられず、セカンドオピニオンに専門医を受診します。
初診で「自閉症スペクトラム」の診断が付きました。
小児神経科の医師は「発達遅滞」で、児童精神科の医師が「自閉症スペクトラム」の診断を付けたので、病院の診断書には「自閉症スペクトラム」と書かれました。
医師によって見解が違うことに戸惑いました。
その頃の娘は、物事を目で見て理解することはできているので、知能遅れではないことは医師も認めていました。
そして目は合うので、自閉症の症状があるようには思えませんでした。
でも母親のことを追いかける「後追い」がなかったことと、いっこうに発語がなく、私の手を自分が欲しい物に持っていく「クレーン現象」しかないことは気になりました。
そして専門医の診断がある以上、「自閉症児」であることを受け入れるしかありません。
その後、療育を始める少し前から、みるみると様子が変わりました。
私の言葉に反応するようになり、発語も出てきました。始めから活舌は良かったので、舌や口の運動機能が発達の遅れの原因ではないことがわかりました。
こうして遅れていた発達が進み始めた時に療育を受けたので、ぐんぐんと伸びていきました。
他の子供に関わることを好み、相手の表情を見て状況を理解しようとするようになりました。
言葉はまだまだ自己発信で、キャッチボールにはなりませんでしたが、YesなのかNoなのかがわかるだけでも、子育てはずっと楽になりました。
発達の遅れの原因はわかりませんが、自閉症の傾向は確かにある。というか、性格が自閉症に近い。ということがわかってきました。
・こだわりが強い
・いつも同じことをしたがる
・初めての物事は拒む
こういった性格が、個性のレベルなのか、障がいになるのか、そのボーダーラインにいました。
そうして5歳を過ぎたころから、これらの性格は薄くなっていきました。
日々の生活の中でさまざまな経験を積んでいくことで、
「いつもと違っていても大丈夫」
「初めてでも怖くない」
という風になり、受け入れられるようになってきました。
それは、「知らないから怖くて嫌。」という思いよりも、「お友達と一緒にやりたい。」という気持ちが強くなったからでした。
ここが、自閉症かどうかの分かれめのように思います。
そして6歳になり、協調性や社交性が育まれてきた今、言葉の発達の遅れは少しあっても、診断が取れました。
症状が個性のレベルになった。ということです。
誰にでも苦手なことはあります。
それが発達とともに克服されていくには、「好きなことや得意なことをする」ことに尽きると思います。
好きなことはやっていて楽しい。得意なことは人よりもうまくできる。
そういった体験をたくさん積むことで、自己肯定感が高まり、苦手なことにもトライしてみようと思えるのです。
幼少期はスポンジが水を吸うように、経験が蓄積されていきます。
たくさんの楽しい気持ちと成功体験が、発達を促すのだと思います。
娘は療育も終わりになる予定ですが、これからも、好きなことや得意なことをどんどんやっていって欲しいと思っています。
それが、苦手なことを克服することにつながると思うから。