~一番の理解者として~
娘が初めて「WISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)」を受けました。これまでは「田中ビネー」を受けており、どちらも世界で広く利用されている代表的な児童用知能検査です。田中ビネーの対象年齢は2歳からですが、WISC-Ⅳは5歳からなので、今回から変えました。
WISC-Ⅳは15の検査で構成され、4つの指標得点(言語理解・知覚総合・作動記憶・処理速度)とIQ(知能指数)が出されます。田中ビネーはIQだけが出されるので、WISC-Ⅳの方がより具体的に子どもの特性(得意・不得意)を知ることができます。
娘のこれまでの田中ビネーの結果です。実際の年齢を100として発達度合を点数で表しています。
・3歳:75点。
・4歳:71点。
・5歳:90点
・6歳:91点
数値が表すもの
・90~109:平均
・80~89:平均の下
・70~79:境界線(ボーダーライン)
・70未満:知的障がい
4歳では知的障がいに近い点数でしたが、その後は療育の効果と本人の頑張りで発達の遅れは改善されてきました。
そして今回のWISC-Ⅳの総合判定のIQ(知能指数)は、100点。平均ど真ん中でした。この結果は素直に嬉しいです。知能が年齢相応になったのです。
WISC-Ⅳ検査の良いところはここからです。
発達障がいの子どもは知能が低いだけが問題ではありません。定型発達の子どもが「見たらわかること」や「聞いたらわかること」が、分かりづらいのです。
他のみんながわかる言い方でも、発達障がいの子には違う言い方をしないと理解できない。そういったことがあります。もしくは絵や図で説明するほうが早く理解できるタイプの子もいます。
障がいという特性のために、情報の受け取り方や処理の仕方が違うからです。特性に合ったその子が理解できるアプローチの仕方があり、それを教えてくれるのがWISC-Ⅳ検査です。
4つの指標得点が示すもの。
・言語理解:言葉を理解し推論する
・知覚総合:目で見た情報を処理する
・作動記憶:聞いた情報を一時的においておく(ワーキングメモリー)
・処理速度:単純なことをすばやくこなす
この4つのカテゴリーが更に3~4項目に細分化され、それぞれに指数が出されます。点数が低い項目は苦手なことです。苦手なことは定型発達の子どもと同じようにはできません。
このように特性を理解することで、サポートが必要な部分がわかり、その結果としてその子が持っている能力を伸ばすことができます。また周囲の人の理解があれば、本人も生きづらさを感じることが減ります。
娘の検査結果は次のようなものでした。
話している相手の感情の機微を読み取ることや、見た目より奥にある規則性をや本質を考えることが苦手である。そのために優先順位を付けにくく、物事に対してそれはなぜかを掴みかねている。
今は問題なく集団生活を送れているが、将来的には女の子同士の付き合いの中で生きづらさを感じるでしょう。
という説明でした。
この説明はとても納得できる内容です。でも検査を受けてこうして説明されなければ認識できていない事柄でした。
「母親なら子どもの考えていることはだいたいわかる。」
「母親が一番の理解者であるはず。」
これらは一概に、全ての母子に当てはまるとは言えません。
娘はもう発達の遅れはありませんが、その特性は私とは違うので、今回の検査結果は娘を育てていくのにたいへん役立ちます。
母親が一番の理解者であるためにも、検査を受けることは意味のあることだと思いました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!