〜子どもの態度、親の対応〜
私は毎朝、娘を集団登校の待ち合わせ場所まで送って行きます。他にもそういったお母さんがいて、毎日少しの時間を立ち話しします。
子どものこと、家族のこと、パート仕事のこと、さほど深い話ではなくて他愛もないことです。その短い時間の中でも、「頑張って!」とか、「大変だったね!」とか言ってもらうと、心が温かくなります。
そんなママ友が先日、いつになく神妙な顔で、小学4年の長男ケンタくんにトラブルがあったと話し始めました。
ケンタくんには近所に仲良し男子4人グループがいて、みんな同級生です。英会話教室も一緒に通う仲です。
4人の中でケンタ君は活発な方だけど、いちばん性格が優しいようです。そしていちばんおとなしいマサル君は、ケンタ君に小さな意地悪をちょいちょいするようです。
ノートに落書きをする。無視する。仲間はずれにする。など。
ケンタ君のママはそのことをとても気にしていて、マサル君に理由を聞いたこともあったようです。でもマサル君は、「そんな事はしていない。」の一点張り。
大人が見ていない時の出来事なのでそれ以上は何も言えません。
ケンタ君には「気にしなくていいし、嫌なら他の子と遊べばいい。」と伝えていました。
でもその後もずっとケンタ君は4人グループで行動していました。優しさからマサル君を許していたのか、4人グループが楽しいのかわかりませんが、ケンタ君のママは引き続き見守っていました。
そして出来事は起こります。
英会話教室の休憩時間に、いつものようにケンタ君のノートに落書きを始めたマサル君。ケンタ君はいつものように、「また落書きしとる〜」と言いました。
するとマサルは、ケンタ君の腰を思いっきり飛び蹴りしたのです。
壁に叩きつけられて倒れ込んだケンタ君。
腰の痛みの何倍も心は傷ついたことでしょう。
ケンタ君が家に帰って母親に事のあらましを告げ、ママが英会話教室へ事実確認をするも、先生たちは見ていないとのこと。でも先生たちも雰囲気は察していたらしく、教室の曜日を変更してマサル君とは違うクラスになることを進めたそうです。
こうして当分の間、ケンタ君だけ4人グループから離れて過ごすことになりました。
私が知っているマサル君は、引っ込み思案で恥ずかしがり屋さん。他の子の後をついて行く様子しか見かけません。そんな一見気弱そうなマサル君ですが、キレると人が変わったように手を出すようです。
過去にもターゲットの女子を集中攻撃し、小学校で問題になったことがあると聞いて私はほんとうに驚きました。
そして気になるのはマサル君のママです。
ケンタ君のママはマサル君も一緒に英会話教室の送迎をしているらしいので、突然に曜日を変えたことはすぐにわかります。
我が子はもちろん何も言わないでしょうが、しっかりと真実を聞き出して、必要に応じてケンタ君にお詫びをすることができるのか。ケンタ君にとっても、グループのあとの2人にとってもこの状況は良くないです。
この話をしながらケンタ君のママは涙ぐんでいました。自分がケンタ君を守ってやれなかった。と。
大人が守ってあげられる範囲は思ったより狭いのかもしれません。子供同士の付き合いに大人が入りきれない部分は必ずあります。子どもの年齢が上がるほどにその範囲は広がっていくのでしょう。とても難しい問題だと思います。
ケンタ君は今回の出来事で負った心の傷はちゃんと癒えるのでしょうか。それがとても心配です。