〜ゲストの想いは変わらない〜
私がブライダルの仕事を始めたのは1999年です。それから20年が経ち、結婚式のスタイルは大きく変化しました。中でも最近のIT化は披露宴のスタイルに大きな変化をもたらしています。
まずは私の結婚式の最初の記憶から思い出したいと思います。私にしては長文ですがお付き合いください。
●1980年代前半
私が子どもの頃は、花嫁は自宅で白無垢の着付けをして家から式場へ向かっていました。
そしてご近所の人たちで白無垢姿の花嫁が家を出るのを見送るのです。母に手を引かれて歩く花嫁の姿はとても美しく、子どもながらにうっとりと見ていました。
その時に「お菓子が撒き」というものがありました。
「お菓子撒き」とは、花嫁が家を出た後に自宅の2階からお菓子が投げられるのです。エプロンを広げてキャッチするおばさんたちには完敗で、子どもには不利な戦いだったのを覚えています。笑
それと披露宴に出席すると、帰りは引出物の大きな袋を持ち帰るのが定番でした。
袋の中身は、記念品、名披露目、引き菓子、お赤飯、かつお節の5品です。
田舎の方ではこれに、鯛と何かがついて7品でした。(幼かったので記憶が曖昧です。)
●1980年代後半
バブル絶頂期の披露宴は、ゴンドラで入場したりドライアイス?スモーク?わかりませんが煙がたかれたりといった派手な演出が盛んに行われました。
お色直しは2回3回と行われ、新郎新婦のアトラクションを見ているようでした。
引出物は2人の名前や写真が入っていることもあり、オーダーメイドで個性豊かな品々でした。
●1990年代
その後は一転「ジミ婚」路線に変わりました。これにはバブル期が終わっただけではなく、「できちゃった婚」や「海外挙式」が増えたことも影響していると思います。
芸能人の披露宴も、それまで通りの派手派とシンプル派に分かれます。
着飾った新郎新婦を披露するというより、ゲストと触れ合う時間を大切にしたおもてなしに変わっていきます。
●2000年代
その後、「さずかり婚」「スマート婚」「家族婚」と名前がどんどん増えて、新郎新婦の希望に合わせてカスタマイズされていきます。
「両家の婚姻」という色は薄くなり、「2人のウェディング」という感覚のため、仲人はいなくなりました。
費用も2人が賄うようになると必然的に予算は減り、派手にやる必要はないという価値観へと変わっていきます。
●2010年代
かつては、挙式披露宴→ハネムーン→入籍と同居、という流れでしたが、
同居→入籍やハネムーン→挙式披露宴という、逆の順序になりました。
お色直しはしないか1回で、引出物は1品か3品です。
そしてやっと、タイトルのIT化の話しですみません。最近の結婚式では・・・
・演出にプロジェクションマッピング。
・プロフィール映像は簡単に自分で作る。
・映像の演出は欠かせないものになり、VRメガネも配られます。
・会費制のパーティーの場合、事前に支払いを済ませて当日は出席確認のスキャンをするだけ。スマホでカンタン♪
・引出物は宅配。スマホで好きな品を選んで注文。
・二次会の招待状はラインアプリ。
というように、新郎新婦が主体で準備をするのでIT化がどんどん進んでいます。
新郎新婦は限られる予算の中でも2人らしさを大切にして、ゲストと共に楽しい時間を過ごしたいと工夫をこらしています。
時代の流れで変わり行く婚礼のスタイル。でも、2人の門出を祝うゲストの気持ちに変わりはありません。
2人が末永く幸せに過ごすことを願う友人や職場の人、そして親族の気持ち。その想いを、2人にはしっかりと受け止めて欲しいと、私プランナーは思います。