〜自覚のない女性差別〜
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性を蔑視した発言を巡って波紋が広がっています。
私はかつて、結婚披露宴で森さんのアテンドをした経験があります。
森さんが総理を辞めた後のことでしたから…
総理を辞任されたのが平成13年4月なので、
おそらく今から15年前後前のことと思います。
当時の森さんの秘書の男性が新郎、森さんは仲人でした。
今は「仲人」の存在はまったくと言っていいほどなくなりましたが、
当時は役職や家柄によってはまれに存在しました。
高砂(メインテーブル)に椅子が4脚並べられ、
向かって左から、
新郎仲人、新郎、新婦、新婦仲人、
の順に着席します。
私は新郎と仲人の森さんの間の後ろに立ち、
お二人の椅子を引いたりマイクを渡したりする係でした。
当時の森さんです。
テレビで見る森さんと実物は全く変わらす、
身のこなしや話し方はどっしりとされていました。
私が一番印象に残っていることは、
乾杯の直後、
高砂の森さんのもとへたくさんの議員や関係者が集まってきて、代わる代わるに森さんへ話しかけていました。
私はこれまで来賓が高砂へ殺到する光景を見たことがなかったので驚きました。
森さんは座ったままで、相槌を打つように頷きながら食事を進めていました。
新郎新婦が主役の披露宴なのに森さんの周りの人だかりばかりが目立って、新郎新婦にはスポットがあたりませんでした。
その人だかりは男性のみ。
当時は女性の政治家はごくわずかでしたし、その披露宴にも女性議員はいませんでした。
森さんの政治家としての黄金期は、男性社会そのものだったと思います。
その後、女性の社会進出は進みましたが、
男性社会で戦ってきた森さんには昨今の様々な問題が、女性の進出によってもたらされたものだと感じてしまうのでしょうか???
森さんの年代でも女性の能力を尊重し、また求めている方もたくさんいますから、
今回の森さんの女性蔑視発言は時代遅れとしか言いようがないです。
私は森さんのニュースを見るたび、
かつて仲人のアテンドをしたことを思い出します。
そして、元総理らしく堂々とした姿の中に、女性差別があったんだなぁ・・・
でもご本人には、女性差別をしている自覚はなかったのかもしれません。
当時はまだそういう時代であり、森さんはそのまま今に至っているだけ、なのかも。