今週のお題「あの人へラブレター」
~生涯、想起する。~
恥ずかしいお題にチャレンジ!
ラブレターを送りたいのは、昔の彼氏。
私が23歳から3年ほど付き合った人。
それまでの彼氏たちとは全く違う関係で、お互いにお互いを「片割れ」と呼んでいた。
二人が一緒にいると自分が完成するような感覚があった。
性格は全く違い、似た者同士ではなかった。
なのに相手の考えていることや感じていることは、言葉にしなくても解った。
世の中にはこんな他人もいるんだと驚くほどだった。
出会いは友達の結婚式の二次会。
翌日に私の職場へ押しかけるほど、思い立ったら真っすぐ突っ走る行動に、始めは「ついていけない」と思った。
それがいつしか、一緒にいるのが自然になり、異性を感じる時と同性のように感じる時が混在し、兄妹のような感覚すらあった。
お互いにやりたいことがあり、毎日会っていたり、1か月間も会わなかったり。
そんな付き合いを2年以上続けるうちに、相手の存在が空気のようなあやふやなものになってきた。
相手にとって自分は必要なのか?
自分にとって相手の存在は何なのか?と疑問に思うようになった。
私はもっと必要とされたかったのかもしれない。
「会えなくて淋しい。」と言ってほしかったのかも。
お互いになくてはならない存在だと思いつつ、ふと気が付くと、
連絡をしてもしなくても、お互いに相手が何をしていても構わないし、気にならなくなっていた。
恋愛感情があるのかないのか、わからなくなっていた。
私は仕事に煮詰まっていたこともあり、転職と同時に別れた。
別れた。というより、離れた。
特に話もせず、会わない日々が続いていた間に私が実家へ戻ったので、気軽に会える距離ではなくなった。
そうなったらお互いにどんな感情が沸くのか、試したい気持ちもあった。
そして、そのまま・・・・。
毎年、私の誕生日に電話をくれるだけの関係になった。
「元気~?」と変わらない声でかけてきてくれる。
まるで海外に住む兄のような感じ。
今は感謝の気持ちを伝えたい。
あの頃感じた一体感は、私に自信を与えてくれた。私が私でいることに価値を見い出せた。
その経験は大きな財産となって、今がある。
今の夫とは、「2人でひとつ」ではなく「2人は2人」という感覚。
お互いを尊重し、個と個の関係。
これが成り立つのは、過去に自信をくれた人がいたから。
ありがとう、片割れ君。
私はきっと生涯、あなたと過ごした頃を想起する。