〜100組100通りの夫婦の形〜
私はウェディングプランナーとして働いています。
どのカップルも幸せの真っ只中なので、ラブラブです。
「ドレスの色に合わせてお花もピンクにしよう♪」
「ウェルカムグッツは手作りしたい!」
そんなお話を嬉しそうする新婦様を、温かく見守る新郎様。
多くのカップルはそんなほんわかした雰囲気で打ち合わせを進めますが、中にはそうでもない2人もいます。
先日、とても気難しい新郎様がいました。
新婦様のちょっとした言葉遣いに過敏に反応し、私の目の前で打ち合わせ中にもかかわらず怒るのです。
「なんだその言い方は!」
「そういう言い方はやめろ!」と。
怒り方が強いので、私の方が驚いてしまうほどですが、新婦様は承知した様子でそのたびに素直に謝っています。
正直、感じの悪い新郎様です。新婦様がかわいそうです。
でもそんなやりとりが何度続いても、お二人ともすぐに機嫌は良くなり、またお話を進めます。
お二人の関係性は10組10通りですから、この二人はこういう感じなんだな〜と思っていたら、ついに、
「てめぇ!いい加減にしろよ!」と新郎様がどなりました。
その声の大きさに他のお客様がチラチラとお二人を見ます。
これはまずいと思った私は、そっと席を外しました。
私の予想通り、お二人だけの時の新郎様は別人です。
新婦様に言い訳をしながら、ごめんごめんと甘えています。
そんなツンデレ新郎に対して新婦様は、
しょうがないわね。という感じになったので、打ち合わせを再開しました。
誰にでも内の顔と外の顔があります。
新郎様は、外では亭主関白でいたいタイプなのでしょう。
でも内では、新婦様のかかあ天下のようです。
結婚が決まったばかりのカップルは、まだお互いに外の顔しか見せていないことも多い中で、このお二人はしっかりと素顔を相手に見せています。
きっとお付き合いが長いのでしょう。
私がお二人に、「信頼関係がしっかり築けているんですね。」と言うと、
新郎様は照れ笑い。
新婦様は呆れ笑い。
夫婦の形は100組100通り。
改めてそう思うお二人でした。
どのカップルにもそれぞれの自分たちらしい関係を作って、幸せになって欲しいと思います。