〜今日はたくさんのふりこみますね。〜
台風19号の被害にあわれた多くの方々、また、これからまだ台風の影響が懸念される地域の方々に、お見舞い申し上げます。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
私は名古屋でウェディングプランナーの仕事をしています。昨日の土曜日は、婚礼予定数がたくさんありました。
新郎新婦にとって結婚式の日は、生涯の中で自分たちが最も輝く日です。ハレの日であり、新しいスタートの日であり、両家が親戚になる日です。
そして披露宴は、新郎新婦がこれまで歩んできた人生の中でお世話になった人たちを招き、パートナーになる人を紹介して、これまでの感謝と共にこれからもよろしくお願いしますという気持ちでもてなします。
この一生でいちばんのハレの日に、台風19号がやってきた新郎新婦が、全国には何万組といることでしよう。
わたしの会社では昨日は12組のご予約をいただいていました。
火曜日は会社が定休日だったために水曜日からいろいろな問い合わせが殺到しました。
中には、50名ほどのゲストの中で出席できるのは5名しかいないというご両家や、土曜日の早い時間にお開きして帰宅してもらいたいので時間を大幅に早めたい。といったご両家もありました。
日程の変更、開始時間の変更、それぞれの事情に合わせて、最低経費の金額で変更料金をご案内し、あとは両家で話し合っていただきました。
開催地は名古屋ですが、関東から日帰りで参列予定の方も多く、新幹線の運休情報を受けたゲストから、ご欠席の連絡がぞくぞくと新郎新婦の元に入ってきたようです。中には主賓や乾杯のご発声の方が不在となると、それでも開催するのかは難しい選択です。
結果12組中で、予定通りに開催、開始時間の変更が4組、
日程の延期、開催のキャンセルが8組となりました。
きっと新郎新婦様たちは、なんで自分たちはなんでこんな目に会うんだろうと台風を怨めしく思ったことでしょう。
開催された4組は、この季節はガーデンでの人前式やデザートブッフェといった演出も多いのですが、すべては会場内に変更になりましたし、ゲストのために濡れた服を拭くタオルを用意したご両家もありました。
晴れていればこんな事にはならなかった…ということの連続です。ですが台風が来たことによって両家は話し合い、お互いを尊重して最善の選択をしながら、できる限りの対応をしました。それは私たちスタッフも同じです。一緒に大きな課題に対して協力しながら解決していくことで、絆を深めることができたこともまた事実です。
昔の人は、雨は「ふりこむ」と言うことから、「幸せがふりこむ」と受けて、雨のハレの日には、
「今日はたくさんふりこみますね。」と挨拶をしてお祝いしたそうです。
この大型台風の中で結婚式をされたご両家様に、たくさんの雨と共に、たくさんのお幸せが末永くふりこみますように。
そしてまだ台風による混乱が続いています。被害にあわれた方々の生活が一日も早く平常に戻れますように。