~グレーゾーンで生きていくには~
娘の主治医より、「もう診断は取れていいと思います。」と言われました。
その経緯と、これからのことをまとめたいと思います。
自閉症スペクトラムとは
最初に、タイトルの意味と娘の経緯をお話します。
自閉症スペクトラムは病気ではないので、治ることはありません。
脳の機能障害で、その障がいの程度によって、診断がつくか、つかないか、分かれます。
娘の場合、3歳の時に自閉症スペクトラムの診断がつきました。
言葉の発達の遅れと、対人関係の苦手さがある。と診断書に書いてありました。
その後、療育の効果があり、目覚ましい成長発達を遂げました。
(療育とは、治療を含めた教育のこと。)
そして6歳になった今、診断が取れました。
治ったのではなく、取れたのです。
障がいの程度が、診断のつく範囲から、グレーゾーンへと軽くなったということです。
年齢が低いほど診断には幅があり、その後の成長によって診断名が変わることがあります。
早期療育の大切さ
娘のケースを振り返ると、早期療育の大切さが見えてきます。
幼い頃から適切な療育を受けることによって、障がいの程度が軽くなる。ということは確実に言えます。
ですが、自分の愛娘、愛息子を障がい者扱いすることに抵抗を感じる親御さんが多いのも、事実です。それは親としてごく当たり前の気持ちです。
でも、愛娘、愛息子だからこそ、その子にとって最善の選択をすることが大切です。そこに親の気持ちは関係ありません。
親が、子供がグレーであることや、障がいを疑われていることを受け入れないことで、その子が療育によって発達が促される可能性が失われることは、とても残念なことです。
娘は来春に小学校へ入学しますが、普通級に進むことに不安はありません。
2歳からこれまで、受けられる療育は全て受けてきて、本当に良かったと思っています。
発達障害は、身体障害と違ってボーダーラインが曖昧です。
周囲の人たちの理解があれば、日常生活に支障がない(=障がいがない)ということもありますし、
娘のように、発達が遅かったために、幼児期はそれが障がいになった。というケースもあります。
いづれにしても、療育は受けることで悪い影響は何もありません。
診断が確定しない幼い頃から療育を受けることは、受けないよりも必ず良い結果をもたらしてくれると思います。
これからのこと
診断が取れた娘は、療育手帳を返却します。(知能テストの結果、その点数が手帳の発行の範囲に該当しなくなったためで、診断の有無は関係ありません。)
療育手帳を持っていることで受けられた福祉サービスも、これからは受けられなくなります。
でも、繰り返しますが、自閉症スペクトラムは病気ではないので、治ることはありません。
診断は取れましたが、グレーではあります。
これからも、お友達との会話についていけなかったり、先生の口頭指示が理解できなかったりといったことは日常的にあるでしょう。
だからこれからは自分で、その苦手なことに対してどうすればいいのかを考える必要があります。
公的な支援を受けられないグレーゾーンの人たちは、社会にたくさんいます。
その人達はみんな、自分で対処法を見つけて、安心できる居場所を見つけていると思います。
娘にも、自分の強みを知り、その強みを生かして苦手をカバーする方法を見つけて、周囲の人たちからの理解と信頼を得られるよう、素直で思いやりのある人になって欲しいと思っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。