~産まれた時の体重人形~
娘の通う保育園では、「自分の身体を大切にする」ということを学ぶ時間が設けられている。
男の子と女の子は性器の形が違うこと、そして他人に見せたり触らせたりしてはいけない。
裸になって良い時は限られること、そして他人の裸を見てはいけない。
などということを学ぶ。
その様子を父兄も自由に参観できたので、見にいってきた。
先生の話を聞きながら、子供たちはいろんな反応をしていて面白かった。
「え?ダメなの?だって俺の父ちゃん、俺のチンチンかわいいって言ってさわるよ。」と言ったり。
そんな息子を後ろから見ていたお父さんは苦笑いしてた。笑
でも、自分の身体を大切にできるのは自分なんだと、みんな、なんとなくわかった様子だった。
そして自分の身体を大切にする。ということがより実感できるようにという取り組みで、「産まれた時の体重人形」を父兄が作った。
体重の重さの砂袋をタオルに包んで、タオルの一部はボールをくるんで完成。
顔は好きにアレンジして、スタイや産着を着せる。
私も娘のために作ったんだけど、抱っこしてみるとなんともいえない気持ちになった。
約6年前の夏、この重さで誕生した時のことをいろいろと思い出す。
ママさんたちと机を囲んで一緒に作りながら、自然と話も出産のエピソードになる。
何グラムで産まれた。に始まり・・・
予定より3週間も早く産まれて準備ができてなくて焦った。
立ち会ったパパが役に立たなくて腹が立った。
陣痛が長すぎて途中で睡魔に襲われたくせに、最後は絶叫した。
などと話は尽きることなく、ママたちは手を動かしながらもおしゃべりに花が咲き、
人形が完成するころには「産まれてきてくれてありがとうだね。」と自然と話はまとまっていた。
園児の勉強のためと言いつつ、園長先生の狙いはここにあるのではないかと思えてきた。
ママたちは毎日、仕事と家事と育児に追われてとにかく忙しい。
子供と遊んでいる時間があったら片付け物をしたいし寝たいし、自分の時間も欲しい。
でも、幼児期はあと少し。(6歳までを幼児と言う。)
幼児のうちは赤ちゃんの延長で、ママやパパに甘えたくて仕方がない。
甘えることで愛情を肌で感じ、自分が大切にされていることや愛されていることを実感する。
「たくさん抱っこしてあげてくださいね。」
人形を作りながら、そんなことを園長先生に言われたような気がした。